名古屋市緑区の歴史や概要
緑区の由来
名古屋市の南東部に位置する緑区は1963年4月1日、愛知郡鳴海町が名古屋市と合併して誕生した行政区です。緑区という地名は、丘陵地帯で緑豊かな地形であることに由来していますが、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が「初秋や海も青田の一みどり」と詠んだことにちなんで名付けられたという説もあるようです。
緑区は東西に扇川、西の区境に天白川、南に大高川が流れた平坦な地域です。また、緩やかな丘陵地もあり、自然を活かした公園が多いのが特徴です。四季折々の草花が楽しめる大高緑地公園には週末になるとたくさんの人が訪れています。自然環境に恵まれた地域ではありますが土地区画整理事業も進められており、目覚ましい発展を遂げています。住みやすい街として人気が高く、県外から移住してくる人も少なくありません。
古い伝統を大切にする
緑区は代々受け継がれてきた伝統的な技術・技能を使って日本の文化や生活に根ざした製品を生産する、伝統産業の町でもあります。390年以上の歴史を持つ「絞り」は国内だけでなく海外までその名が知れ渡っており、その「絞り」の資料や実演を見ることができる「有松・鳴海絞会館」では絞りの体験もできるとして多くの観光客が訪れています。また、古くから良質な水に恵まれていたこともあり酒造りが盛んな地域としても有名です。区内には3つの酒蔵があります。「神の井酒造株式会社」「山盛酒造株式会社」「株式会社萬乗醸造」です。酒蔵ごとに特徴が異なるので、酒蔵めぐりを楽しむのもいいかもしれません。ただし、見学をお断りしているところもあるので、興味のある人は事前に確認してから訪れるようにしてください。
名古屋市内で最も人口が多いエリア
緑区は面積37.91㎢で、45.69㎢の熱田区に次いで2番目に大きいエリアですが、人口は市内の中で最も多く、令和4年2月現在で24万8,000人でした。住宅地が開発され、地下鉄桜通線が緑区まで延伸して交通の便が良くなったことで人口も増加したのでしょう。ベッドタウンとしての人気も高まっており、特に神沢や徳重エリアは人気が高く、地価も上昇しています。
古い町並みの風情を残しつつも暮らしやすい街
緑区は近年、宅地開発や交通環境の再編もあり、大きな発展を遂げています。しかしその一方で、有松町エリアの保存事業のように伝統文化も大切にしている街です。開発が進み暮らしやすい街でありながら自然を身近に感じることができ、さらに歴史も感じられるとして緑区で生活することを選択する人も少なくありません。